放射線科の検査では絶対に不妊にならない理由【子宮卵管造影とは?】

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放射線科の検査では絶対に不妊にならない理由。どれくらいで不妊になる?【子宮卵管造影とは?】

放射線って被ばくするし検査するのもちょっと怖い。

本当に不妊になったりするのかな?

 

被ばくに関しての相談でやはり多いのは「不妊」についてです。

具体的な数字を使いながら説明しますので、あなたの検査に対する不安を無くせます。

 

 

病院で仕事をしていると患者さんからだけでなく看護師さんからも聞かれることが多いです。

しっかりと世間に発信しなければと思ってますので、約15年診療放射線技師として働いてきた知識をお伝えします。

 

また、不妊治療の1つである子宮卵管造影について少し紹介します。

 

いってみよ〜

 

 

放射線科の検査では絶対に不妊にならない理由。
どれくらいで不妊になる?【子宮卵管造影とは?】

 

永久不妊になることはありません。

結論から言います。

放射線を使った検査が原因で永久不妊にはなりません

0%です。

というか、永久不妊になるほど体に害があるものを使ってる人間って怖すぎませんか?

 

そんなこと言われても知らないのは怖い!

 

用語が少し複雑になるかと思いますが、出来るだけわかりやすく説明します。

 

わからなければ、りきりんに文句言っていいよ。

しきい値

ではその証拠となる値を示します。

まず放射線の障害には「確定的影響」と「確率的影響」があります。

不妊は確定的影響のひとつです。

放射線科の検査では絶対に不妊にならない理由。どれくらいで不妊になる?【子宮卵管造影とは?】

そしてコチラは国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告している放射線の「しきい値」と呼ばれるものです。

これだけの量の放射線にさらされなければ確定的影響は起こらないと言える値です。

 

確定的影響は非確率的影響とも言われます。

ちょっとややこしいですが、確率的影響は「発がん」と「遺伝的影響」に関係があります。

↓コチラへまとめてあります。↓

www.xkirinx.work

 

確率的影響は少しの放射線でも発生する確率があります。

しきい値はありません。

それに対して確定的影響はしきい値となる線量以下では発生しません。

 

不妊は確定的影響で、しきい値より少ない放射線では起こらない

 

被ばくした場合に「全身にどれくらい被ばくしたか」を示す値に実効線量というものがあります。

単位は〔Sv〕(シーベルト)です。 

 

実効線量よりもマイナーですが、特定の部位に吸収された線量は吸収線量〔Gy〕(グレイ)を使って表されます。

 実効線量のもとになる値で、X線・γ線での被ばくを考える場合は〔Gy〕=〔Sv〕と考えても大丈夫です。

 

精巣の一時不妊が全身の中で最も少ない線量で現れる確定的影響です

ICRPの勧告によると一時的不妊のしきい値は「0.1Gy」です。

つまり精巣に当たった放射線が100mGyを超えた時に確定的影響が現れます。

(「全身に100mSv」ではなく「部位、組織に100mGy」なので、全身が晒された場合は更に低い値になると思ってください。)

 

精巣の一時的不妊はピンポイントで100mGy被ばくしたら現れる

 

被ばくの多いCTだと、どれくらいの被ばくになる?

放射線の検査には「診断参考レベル」というものが設定されています。

これは「医療被ばく研究情報ネットワーク」という日本の被ばく防護を考える組織が設定したものです。

放射線科の検査では絶対に不妊にならない理由。どれくらいで不妊になる?【子宮卵管造影とは?】

最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定

詳しい内容はpdfファイルを御覧ください。 

 

CTDIvol:CTの1回転している間に受ける線量

DLP:撮影した距離を考えた1回の検査の間に撮影範囲が受ける線量

 

ここで注意しなければいけないのは、診断参考レベルというのは「検査の上限ではない」ということです。

画質を落として診断できないのでは本末転倒、ホントにただの無駄な被ばくです。

なので「目安として、これより多く線量を使っている場合は下げられる可能性があります」という線量です。

 

表を見ると頭のCTは頭蓋骨に覆われた脳を見るために線量は高めに設定されています。

距離が短いのでDLPは他の部位と変わりません。

肝臓ダイナミックは造影の検査で時間を追って何度か撮影するので、DLPは高くなります。

肝臓の記事はコチラ

 腹部のCTは1回転で20mGyだと、50cm撮影したら1000mGy・cmってことだね

改めて結論!

腹部CTの1回転で受ける被ばく線量を20mGyとして、5cmの範囲を撮影した場合にDLPは100mGyとなります。

これは撮影範囲全ての被ばく量なので、このときさらされた放射線を全て精巣で受け止めれば一時的不妊が発生するかもしれません。

 

卵巣の永久不妊は3Gyです。

比較すると、3000mGyなので、精巣の一時的不妊の30倍の線量でなければ起きません。

これはものすごく高い値です。

 

だから!放射線の検査で永久不妊にはなりません!

 

やっと結論・・・長かった

 

子宮卵管造影

婦人科領域の検査で子宮卵管造影(HSG、ヒステログラム)というものがあります。

不妊治療の一環で行われることが多い検査です。

放射線科の検査では絶対に不妊にならない理由。どれくらいで不妊になる?【子宮卵管造影とは?】

婦人科の医師が卵管に直接造影剤を注入することで、卵管のつまりや異常がないかを確認します。

写真を何枚か撮影して、翌日にも造影剤の広がりを見るために追加の撮影を行います。

 

不妊治療でも放射線を使った検査は行われるんだね。

もちろん透視や一般撮影の装置はCTよりもずっと被ばく線量は少ないです。

そして、子宮卵管造影は卵管を造影剤で少し拡張してあげることで妊娠確率を上げる効果もあります。

 

確かに「不妊」は一生に関わることです。

しかし、必要以上に警戒して放射線から遠ざからないで下さい。

僕たちにもお手伝いできることがあります。

不安に思ったときは医師、診療放射線技師に気軽に相談して下さいね。

 

 

 

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