「被ばく」のことは診療放射線技師に聴け!

診療放射線技師
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あなたは被爆についてどれだけ知っていますか?

「被爆」と「被曝」の違いは?

被爆=爆撃を受けること

被曝=放射線にさらされること

「曝」は常用漢字ではないので、一般に被曝といえば「被ばく」と表記されます。

放射線にさられれることを「被ばく」といって診療放射線技師にとっては身近なワードです。

「(Sv)シーベルト」ってなに?

知ってるよ。放射能とか放射線の単位でしょ。

厳密には違いますよ

え?

どれくらい被ばくする(した)かという単位です。

放射線関連の単位はややこしいです。

  • 放射能(Bq) ベクレル
  • 照射線量(C/Kg)
  • 吸収線量(Gy) グレイ
  • 等価線量(Sv)
  • 実効線量(Sv)

こんなにあるんです!しかもシーベルトって2つあるんです!

難しいので詳しくは解説しませんが、テレビでよくやっているのは実効線量のことです。

単純な放射線の量ではなく、全身にどれだけ被ばくする(した)かという値になります。

「普段生活していて1番長い時間、被ばくするのは病気になったときに放射線科での検査を受けたときだ。」正しいか誤りか?

×(誤り!)

被ばくを大きく分類すると3種類あります。

  • 医療被ばく・・・病院で検査のために受ける被ばく
  • 職業被ばく・・・僕たちのように仕事をしながら受ける被ばく
  • 公衆被ばく・・・普段生活していて受ける被ばく

もちろん個人差もあるけれど「長い時間」となると当然、公衆被ばく

実は宇宙から宇宙線という名前の放射線が降ってきています。

地面からも放射線が出ています。

普段食べている食品からも放射線が出ているって知っていますか?

そしてラドン温泉やラジウム温泉は放射能温泉と呼ばれ、むしろ放射線を浴びに行っています。

世界の公衆被ばくの平均は年間2.4mSv、日本の平均は年間2.1mSvです。

またSv(シーベルト)出てきた・・・。何コレ・・・。

結局、被ばくについて伝えるニュースを見てもピンと来ていない人のほうが過半数だと思います。

でも比較すれば大丈夫!

レントゲン写真は撮影する場所にもよるけど0.5mSvくらいです。

(検診で撮る胸部のレントゲンは1回0.05mSvくらい)

CTは放射線科の検査の中でも被ばくは多い検査ですので詳しく見ていきます。

放射線の検査には「診断参考レベル」というものが設定されています。

これは「医療被ばく研究情報ネットワーク」という日本の被ばく防護を考える組織が設定したものです。

最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定

詳しい内容はpdfファイルを御覧ください。

DLPという値をシーベルトに直すには、次の値と掛け算をします。(変換係数)

頭部:0.0021

胸部:0.014

腹部:0.015

頭部:2.835 Sv

胸部:7.7 Sv

腹部:15 Sv

つまり、普段生活しているだけでも1年で頭部のCTくらいの被ばくをしていることになるんです!

更に、先ほど常に受けていると言った宇宙線

実は宇宙からの放射線は地上に降り注ぐまでに空気中を通り、かなり弱くなっています

つまり 宇宙(空)へ近いほど強くなります

実は日本からヨーロッパへ飛行機で往復すると、0.1mSvほどの被ばく線量になるのだ。

つまり片道で検診の胸部レントゲン1回分

自然放射線を多いと感じますか?検査の被ばくを多いと感じますか?

よくニュースで見る値ってどれくらいか。

地震の被害にあわれた福島県の原子力発電所を例とさせていただきます。

地震が起きた当初と比べればかなり除染作業が進んでいます。

放射線量を測るサーベイヤーとして現地を訪れた診療放射線技師の方も多いと伺いました。

汚染状況重点調査地域に指定されているのは「0.23 (μSv / 時)」の市町村です。

ここに来てまた新しい単位が出てきたね・・・。

1時間で0.23なので年間でどれくらいか計算します。

1年は 24時間×365日=8760時間

マイクロシーベルトをミリシーベルトで揃えるために1000で割ります。

0.23×8760÷1000≒2mSv/年

簡単に言うと、1年間ずっと外にボーッと立ってるだけで2mSv被ばくするってことです。

他の地域と比べると 「年間で1mSvの追加被ばく があると考えられる」ということなので、日本の平均2.1mSvと比較すると 3.1mSv 以上となりそうです。

病気を見つける価値のあるCTの数mSvと なんの意味もなくさらされる1mSv は意味合いが違うと思います。

しかし、除染がこれだけ進んでいるということも数字ではっきり知ってほしいです。

逆にどれだけさらされたら危ないか。

結論から言うと、影響が出る可能性があるのは少なくとも100mSv以上

10年で20mSvと言ったが、その更に5倍の50年分の放射線を一度に受けなければ影響は出ません。

障害が出るかもしれない、もしかしたら死ぬかもしれない値となれば更に数十倍以上になると考えられます。

この数字は一度に放射線にさらされた場合なので注意してが必要です。

例えば「年間2mSvだから10年で20mSv」とは考えません。

もう1つ注意しなければいけないのは、これは人体実験で得られた値ではないということです。

過去に人間が大量の放射線にさらされた事例がそれほど多いわけではありません。

なので実験や過去の事例のデータから推測されるものです。

CTを一気に100回分くらい?壊れちゃうね。

比べてみよう!

被ばくと他の体に悪そうなものを比べてみます。

食生活の乱れ(野菜不足などの偏った食事)

100〜200mSV

すでに多くない?
野菜不足だからといってそこまで発がん率に差は出ないでしょ。

そう思ってしまうのは放射線被ばくも同じです。

100mSv以下ならそんなに差は出ないでしょ。と考えて大丈夫です。

塩分のとりすぎ・運動不足

200〜400mSv

このあたりから放射線と同じように予防をしている人としていない人で差が出始めます。

痩せすぎ・肥満

300〜500mSv

ダイエット大事!

ダイエットは痩せることではなく、適切な生活で適正体重を目指すことです。

痩せすぎな人もダイエットで少し体重を増やしましょう。

大量飲酒

2合以上・・・500〜1000mSv

3合以上・・・1000〜2000mSv

喫煙

1000〜2000mSv

さすが・・・喫煙と飲み過ぎはやっぱり毒・・・。やばい。

被ばくを相談されるときにまず聞く事。

「なにが心配なのか。」

これまで伝えてきたように放射線の影響や値は複雑で理解が難しいです。

危険なイメージばかりが先行して怖がられてしまいます。

発がんや遺伝的影響、不妊などのイメージがついてまわっています。

もちろんその危険性はありますが、「放射線科の検査の影響でそれらが起こった」なんて証明ができるほど優位に差は出ません

しかし、いざ「病気になった」「子供に影響がでた」となったら放射線への疑惑が拭えなくなってしまいます。

考えなければいけないのは、「今、その検査は必要なのか

医師は放射線の影響を考え、無駄な被ばくではないか考えた上で、検査を依頼します。

診療放射線技師もその気持に答えて被ばくを抑えつつ、病気を見逃さないように検査を行っています

放射線の性質や危険性を理解して正しく怖がらなければいけません

診療放射線技師は被ばく相談が出来るもっとも身近な存在だもんね。

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